ネキシウム

胃に様々な深い症状が起きる逆流性食道炎の効果的な治療薬と言えば、真っ先にネキシウムが挙げられます。
世界中で活用されている効果の高い薬であり、逆流性食道炎で苦しんでいる人なら誰でも一度は名前を聞いたことがあるはずです。
これまで他の治療薬を使用していたり名前を知らなかったという人も、ネキシウムを使用することで症状を軽快させられる可能性はかなり高いので、副作用も含めてネキシウムの内容を知っておきましょう。

世界中で使用されているネキシウムの効果

ネキシウムは、日本では4番目に認可された胃酸過多を抑えるタイプの治療薬です。
他のどんな種類の薬よりも胃酸を抑える力に優れており、胃酸の過剰分泌による様々な症状を緩和させることが可能です。
胃酸過多などはもちろん、難治性の潰瘍に対しても強力な効果を発揮するので、逆流性食道炎や胃潰瘍などの第一選択薬として採用されています。
もともとはイギリスの製薬会社が開発した治療薬ですが、その効果の高さから今では世界中で重宝されています。

胃をおさえる男性

ネキシウムは逆流性食道炎の治療薬というイメージが強いのですが、実際には胃もたれや胃炎、胃痛など幅広い胃の症状ネキシウムで解決できます。
十二指腸潰瘍や胃潰瘍といった、胃酸過多によって引き起こされる病気の治療薬にも利用されており、ピロリ菌の除去治療にも役立ちます。
ピロリ菌の場合は除去効果そのものがあるわけではなく、治療のサポート効果が高いという位置づけです。

今のところ、ネキシウム以上に効果が期待できる薬は無いため、逆流性食道炎が疑われた場合はまずネキシウムだけを処方するという病院も多いです。
ネキシウムというのはあくまでも商品名で、成分名はエソメプラゾールと言います。

エソメプラゾールが開発される前に普及していた胃酸過多の薬には、患者の体質によって効果に大きな差が出るという難点がありました。
エソメプラゾールはこの問題を解決して開発された薬であり、誰が服用しても同じように効果を得られるのが大きな特徴です。
さらに効果が発現するスピードも比較的早く、同じ系統の薬の中では一番です。
とは言っても胃酸を抑制するタイプの薬の中で即効性が高いという意味なので、服用したからと言ってすぐに症状が良くなるわけではありません。

ネキシウムは、服用後に胃酸で成分が活性化されることで効果を発揮します。
最低でもその時間は必要になるので、約半日程度かかってしまうことが多いです。
ちなみに、効果を発揮するのは服用してからなので、それまでに既に分泌されていた胃酸に対しては効果が得られません。

服用後、約36時間ほど経過すればほとんどの人で胃の不快感や喉の圧迫感などの症状が落ち着きます。
効果が得られるまで時間がかかる分、持続時間も長くなっており、1日に1回服用すればその後24時間は胃酸の分泌を抑える効果が続くことになります。

ネキシウムの副作用とは?

ネキシウムは非常に効果の高い薬ですが、薬である以上は副作用のリスクもあります。
医薬品の副作用全てに言えることですが、副作用の発症する頻度や症状の重さ、内容には個人差が大きいです。
ネキシウムの場合、最もよく見られる副作用は軟便や下痢などの消化器症状です。
何日経ってもこのような症状が治まらなかったり、他の病気の可能性が無い場合はネキシウムの副作用の可能性が高いでしょう。

消化器症状が起きてしまうのは、胃酸の分泌が減ることで消化が満足にできず、腸に負担をかけてしまうことなどが考えられます。
下痢や軟便はネキシウムを服用している限り続くことになりますが、症状は軽く済むことが多いですし、胃の辛い症状からは解放されるのでメリットの方が大きいです。
ただ、下痢の場合は腸で水分をしっかり吸収することができず、脱水症状になりやすいので注意が必要です。
夏は特に意識して水分を多く摂るなど、対策を立てておきましょう。

この他、服用後に胃に不快感を感じることもあります。
服用してしばらく経つと胃に痛みを感じたり、重くなったような違和感を感じたりします。
逆流性食道炎の人はもともと胃に不快感を感じている人が多いので気付かないことも多いですし、症状としては軽いので過剰に気にする必要はありません。
十二指腸潰瘍やピロリ菌の除菌サポートでネキシウムを利用する場合は、胃の不快感に悩まされる可能性もあるので覚えておきましょう。

これらの代表的な副作用の他に、発熱や貧血、発疹に黄疸、咳に口内炎など様々な症状が現れる可能性もあります。
しかし、下痢や胃の不快感に比べると発症頻度はかなり低いので、ほぼ心配ありません。
注意が必要なのは、重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシー・ショックです。
ネキシウムの成分や添加物などにアレルギーがあると、極めて稀ではありますがアナフィラキシー・ショックを引き起こし、重篤な状態になってしまいます。

アナフィラキシー・ショックが起きると、嘔吐や急激な血圧の低下による意識消失、気管支の腫れや痙攣による呼吸困難、チアノーゼなどで命を落としてしまう危険性もあります。
初めて服用する時に起きる可能性が高いので、最初の服用はできるだけ病院か家族が見ている前にしておくと安心です。

ネキシウムのジェネリック医薬品

ネキシウムには、10mg配合タイプと20mg配合タイプの2種類があります。
10mgは1錠あたりの薬価が約83円、20mgは約145円です。
逆流性食道炎の場合は毎日1錠服用することになるので、1ヶ月あたり約2,490円から4,350円ほどになります。
実際にはここから保険が適用されるので、患者が負担するのは約800円から1,300円前後です。

この費用だけを見るとリーズナブルな印象を受けますが、実際に薬局で支払う際には薬剤管理料や調剤基本料など手数料のようなものもかかるので、更に高くなります。
逆流性食道炎の場合は基本的には4週間から8週間、治癒しない場合はそれ以上にわたってネキシウムによる治療を続けるため、長い目で見るとかなりの出費になるでしょう。

薬代を少しでも節約したい場合には、ネキシウムのジェネリックを使うという方法もあります。
ジェネリックとは後から開発された同じ有効成分を持つ薬のことで、ネキシウムの場合はエソマックという商品になります。

ジェネリックは、先発医薬品と違って開発に費用も時間もかかっていないため、コストを回収する必要がありません。
このため先発医薬品よりも安い価格で販売することができ、かつ先発医薬品と同じ効果を得られるというメリットがあります。

エソマックは40mgタイプで、ネキシウム20mg2錠分の配合量となっています。
実際に服用する場合は4分の1から2分の1にカットして服用する必要がありますが、30錠入りで約3,000円で購入可能です。
30錠入りということは、ネキシウムに換算すると10mgタイプ120錠分か、20mgタイプ60錠分になります。
価格で考えると約8,700円から9,960円に相当するため、保険の適用を考えてもジェネリックがいかに安いかが分かるでしょう。

ただ、残念ながらネキシウムのジェネリックは今のところ日本国内では認可されていません。
このため病院へ行ってネキシウムのジェネリックを希望しても処方してもらないため、注意しておきましょう。
エソマックは海外では認可されている国もあるのですが、あまり普及しているとは言い難いです。
将来的に認可される可能性もゼロではありませんが、現状ではやはりネキシウムを使用することが多いと覚えておいてください。